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生成AIで作った画像の「著作物性」が争点に ― 水素事業者が自社素材で残しておくこと

生成AIを利用して制作・販売している画像が無断で使われたとして、制作元が著作権侵害行為の差止め等を求める訴訟を提起したことを、自社サイトで公表しました(2026年8月18日付)。リリースは「生成AIを利用して制作した画像に著作物性が認められるか」が主要な争点の一つになると考えている、と書いています。本記事は当事者リリースの原文に沿って事実を整理し、水素関連の事業者が自社の商品画像・広告素材で何を記録し、何を確認しておけるかを中立にまとめます。係争中の事案の見通しや法的評価は述べません。効果効能も扱いません。

2026-09-22 | 大河内 洋(スマートマーケティング株式会社 代表取締役)× AI権利・法令
対象:広報・販売・経営の方はじめての方OK所要:約6分

当サイトは中立の情報整理を目的とし、特定のAIサービス・事業者を推奨も批判もしません。本記事で扱う訴訟は係属中であり、見通しや勝敗の予想、法的評価は述べません。記載した事実は、原告が自社サイトに掲載した当事者リリースの原文に基づくもので、相手方の主張は含みません(裁判所の公開情報には到達していないため、相手方の名称は本文で挙げません)。本記事は法律相談ではありません。個別の判断は各社の顧問弁護士等にご確認ください。水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)であり、本記事は効果効能を扱いません

自社で作る側は制作の記録を残し、他社の素材を使う側は出所と利用条件を確認する中央に当事者が挙げた争点、左に自社で作る側の記録、右に他社素材を使う側の確認、下に公開前の確認工程を置いた図。生成AI画像をめぐって、事業者が立つのは二つの側どちらの側にも、自社で今日から積める記録・確認がある。当事者が挙げた争点「生成AIを利用して制作した画像に著作物性が認められるか」(裁判で争われている点)自社で「作る」側創作的寄与として挙げられた項目を残す・プロンプト設計・生成画像の選択・人の手による修正・加工・画像合成誰が・いつ行ったかとセットで保存する他社の素材を「使う」側許諾の範囲を確認してから使う・素材の入手元・販売元が定める利用条件・外注先が生成AIを使ったか・出所不明の画像は使わない確認した日付とセットで保存する公開・販売の前に人が確認する権利のほかに、広告としての表示規制(薬機法・景表法・ステマ規制)も別に確認する。※図は当事者リリースの記載と実務の流れを整理したもので、法的評価を示すものではない。
生成AI画像をめぐって事業者が立つのは「作る側」と「使う側」の二つ。どちらも、記録と確認を工程として置けるところは自社の側にある。

① これは何か(生成AIで制作した画像の著作物性が、争点の一つに挙げられた)

2026年8月18日、美容室向けの画像を制作・販売する株式会社Sai(Sai beauty)が、自社サイトに「Sai beauty 画像の著作権保護の為の裁判のお知らせ。」と題する当事者リリースを掲載しました。以下は、そのリリース(原告側の記載)に書かれている事実です。

  • 同社は大阪地方裁判所に、著作権侵害行為の差止め及び画像データの廃棄を求める訴訟を提起した(事件番号:令和8年(ワ)第7318号/提訴日:令和8年7月8日/配属部:大阪地方裁判所第21民事部(知的財産専門部))。
  • 訴訟の対象は、同社が生成AIを利用して制作し、美容室向けに販売している画像(計240点)を、相手方が許諾なく複製・翻案し、広告サイトに掲載した行為等であるとされている。
  • リリースは、本件訴訟では「生成AIを利用して制作した画像に著作物性が認められるか」という点が主要な争点の一つになると考えている、と述べている。
  • 同社は、自社の画像は生成AIを創作のための道具として利用して制作したものであり、プロンプト設計、生成画像の選択、人の手による修正・加工、画像合成といった創作的寄与が積み重ねられている以上、人の思想又は感情を創作的に表現した著作物として保護されるべきである、と主張している。

経緯についてリリースは、「今年4月」に自社の画像と酷似した画像が第三者の集客媒体に多数掲載されていることを確認し、協議による解決を進めていたところ、協議の途中で相手方から東京地方裁判所に「損害賠償義務は存在しない」ことの確認を求める訴訟(東京地方裁判所 令和8年(ワ)第170091号・令和8年5月29日付)が提起されたため、画像の権利を明確にするために大阪地方裁判所へ提訴した、と説明しています。この債務不存在確認訴訟は大阪地方裁判所へ移送されることが決定しており、同社は当該訴訟において反訴を提起し損害賠償を請求する「予定」である、とも書かれています。

本記事が扱わないこと:本件は係属中で、判決文・事件記録は公開されておらず、当サイトは裁判所の公開情報に到達していません。相手方の公式リリースにも到達していません。したがって、どちらの主張が通るか、生成AIで作った画像に著作物性が認められるかについて、当サイトは一切の見通し・法的評価を述べません。また、一部報道が伝える賠償額は一次資料である当事者リリースに記載がないため、本記事では扱いません。

② 水素業界での使いどころ(場面別に、記録すること・確認すること)

水素関連の商品画像・LP・SNS素材づくりでも、生成AIは日常的に使われています。本件で争点として挙げられているのは「生成AIで作った画像に著作物性が認められるか」であり、その主張の土台として当事者が挙げているのが創作的寄与の積み重ねです。ここから持ち帰れるのは、作った側の記録使う側の確認を、場面ごとに工程として置いておくという実務です(いずれも効果効能の表現を入れないことが前提です)。

場面本件で論点になっている位置自社で今日から残せる記録・確認
商品画像・パッケージ画像を生成AIで作る生成AIで制作した画像に著作物性が認められるか(争点の一つとされている)プロンプト設計/候補からの選択/人の手による修正・加工/画像合成を、担当者名と日付つきで保存する
LP・広告バナーの素材を集める許諾なく複製・翻案して掲載したかどうか素材の入手元と利用条件を確認した記録を残す。出所が分からない画像は使わない
外注・代理店に素材制作を任せる納品物が生成AI由来かどうか/権利が誰にあるか発注時に「生成AI利用の有無」「権利の帰属」「制作記録の引き渡し」を書面で取り決める
有償素材を購入して使う購入した素材について許諾された利用の範囲販売元が定める利用条件(利用範囲・再配布の可否)を確認し、確認日とともに保存する
自社素材が他社に使われていないか見る差止め・データの廃棄を求めるときの前提となる権利の立証公開した素材の公開日・版・制作記録を、あとからたどれる形で保管しておく

③ 第一歩(今日からの3ステップ)

  1. 生成AIで作った自社素材の「制作記録」を残す。当事者リリースが創作的寄与として挙げているのは、プロンプト設計・生成画像の選択・人の手による修正・加工・画像合成の四つです。この四つについて、誰がいつ行ったかを素材ファイルと同じ場所に保存しておきます。
  2. 他社素材の扱いを一枚に決める。入手元と利用条件、確認した日付を残す。出所が分からない画像は使わない。この二つを書いたメモを、素材を扱う全員が見られる場所に置きます。
  3. 外注の発注書に三つの項目を足す。「生成AI利用の有無」「納品物の権利の帰属」「制作記録の引き渡し」。次の発注から入れておくと、自社の記録が途切れません。

④ 絶対の注意点(★法令ガード)

著作権の話とは別に、水素業界では薬機法・景表法・ステマ規制を必ずセットで確認してください。権利の処理が済んでいても、表示規制は別に掛かります。

  • 画像の演出で効果効能を示さない。水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)で、効果効能は標榜できません。生成AIで作った画像であっても、身体への作用を暗示する演出(施術前後を並べた表現など)は使えません(→水素と法律)。
  • 体験談風の画像・文章をAIに作らせない。実体験でないものを体験談として出さないでください。
  • 最上級表現を自動で書かせない。「No.1」「世界初」等は、根拠なく載せれば景表法上のリスクになります。生成物に混ざっていないか公開前に点検します。
  • ステマ規制(2023年10月〜)。AIが作ったかどうかに関わらず、広告は広告と分かる表示を。
  • 係争中の事案を販促に使わない。他社の訴訟や本件を引き合いに、自社素材の優位をうたうような使い方は避けてください。当サイトも見通し・法的評価は述べません。

よくある質問

生成AIで作った画像は、自社の著作物として守れますか?
一律には決まりません。本件でも、原告は当事者リリースの中で「生成AIを利用して制作した画像に著作物性が認められるか」が主要な争点の一つになると考えている、と書いています。つまり、そこはこれから裁判で争われる点であり、当サイトは結論の見通しを述べません。事業者としていまできるのは、リリースが創作的寄与として挙げている項目(プロンプト設計、生成画像の選択、人の手による修正・加工、画像合成)を、誰がいつ行ったかとあわせて記録に残しておくことです。
この裁判は、結果的にどうなりそうですか?
見通しや勝敗の予想、法的評価は述べません(当サイトは係争中の事案の法的評価をしません)。本件は係属中で、判決文や事件記録は公開されておらず、当サイトは裁判所の公開情報には到達していません。本記事に書いた事実は、原告が自社サイトに掲載した当事者リリースの記載に基づくもので、相手方の主張は含まれていません。
報道で見た賠償額は、記事に書かないのですか?
書きません。当サイトは一次資料で確認できない数値を出さない方針です。到達できた一次資料(原告の当事者リリース)に金額の記載はありません。リリースでは、大阪地方裁判所に提起したのは著作権侵害行為の差止め及び画像データの廃棄を求める訴訟であり、損害賠償の請求は、相手方が東京地方裁判所に提起し大阪地方裁判所への移送が決定した債務不存在確認訴訟において反訴を提起して行う「予定」と書かれています。
広告素材を外注しています。何を決めておけばよいですか?
発注の時点で、①生成AIを使うかどうか ②納品物の権利が誰に帰属するか ③制作の記録(プロンプトや修正の履歴など)を引き渡してもらえるか、の3点を取り決めておくと、あとから自社で確認できます。素材を買って使う場合は、販売元が定める利用条件の範囲を確認した日付とともに残してください。
水素の会社にも関係がありますか?
商品画像・LP・SNS素材を作る場面で関係します。本件は美容室向け画像をめぐる事案ですが、論点は「生成AIで作った画像を自社の資産として主張できるか」と「他社の画像を許諾なく使っていないか」の二つで、素材を作る事業者・使う事業者であれば業種を問わず同じ位置に立ちます。なお、水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)であり、画像の演出で効果効能を示すことはできません(→水素と法律)。
出典:株式会社Sai「Sai beauty 画像の著作権保護の為の裁判のお知らせ。」/「著作権侵害訴訟の提訴に関するお知らせ」(当事者リリース・2026年8月18日付・参照2026-09-22)同社公式サイト 会社概要(株式会社Sai・参照2026-09-22) / ※本記事の事実・日付・件数・事件番号は、上記の当事者リリース(原告側の記載)に基づく。本件は係属中のため判決文・事件記録は公開されておらず、裁判所(大阪地方裁判所・東京地方裁判所)の公開情報には到達していない。相手方の公式リリースも未到達。報道(TBS NEWS DIG/MBSニュース)は本体記事のURLを取得できなかったため出典に掲げず、報道が伝える賠償額は一次資料に記載がないため本記事では扱わない(参照2026-09-22)。係争中のため見通し・法的評価は述べない。
※本記事は中立の情報整理を目的とし、法律相談ではありません。係属中の事案について見通し・勝敗予想・法的評価は述べません。事実は原告が公表した当事者リリースの記載に基づき、相手方の主張は含みません。最新・詳細は当該リリースおよび各社の顧問弁護士等にご確認ください。特定のAIサービス・事業者・水素製品の推奨や順位づけは行わず、効果効能を示すものでもありません。
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