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AIで作った投稿を広めるとき、『ステマ』になる分かれ目 ― 消費者庁の措置命令から

消費者庁は2026年8月6日、あるアプリの利用サービス提供事業者2社に対し、第三者へ対価を条件にSNS投稿を依頼したことがステルスマーケティング告示(景品表示法第5条第3号)に該当するとして措置命令を出しました。AI生成画像を使った投稿が題材ですが、規制の分かれ目は『AIかどうか』ではありません。水素関連の事業者がAI活用のPRを第三者に広めてもらう際に、作る側として確認すべき点を、消費者庁の公表情報に基づき中立に整理します。効果効能は扱いません。

2026-08-15 | 大河内 洋(スマートマーケティング株式会社 代表取締役)× AI権利・法令
対象:広報・販売・経営の方はじめての方OK所要:約6分

当サイトは中立の情報整理を目的とし、特定のAIサービス・アプリ・企業を推奨も批判もしません。個別事案の見通しや当否の評価も述べません。扱うのは、消費者庁の公表情報で確認できる事実と、水素関連の事業者が今日から取れる実務対応だけです。本記事は法律相談ではありません。個別の判断は各社の顧問弁護士等にご確認ください。水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)であり、本記事は効果効能を扱いません

AIで作った投稿を第三者に広めてもらうとき、ステマ規制に触れる分かれ目対価の提供と、事業者による投稿方針への関与があり、かつ広告だと分かる表示がない場合に、事業者の表示として規制対象になる。AIで作った投稿を第三者に広めてもらうとき、どこで「ステマ」になるか分かれ目は「AIで作ったか」ではなく、対価・方針への関与・広告表示の有無。① 対価がある金銭・商品提供・割引・ギフト等を条件に投稿を依頼している。② 方針に関与している事業者が「どう投稿するか」の方針を示し、内容の決定に関与している。③ 広告だと分からない投稿を見た人が「事業者の表示」だと判別できる明示がない。①〜③がそろうと → 「事業者の表示」としてステマ告示の対象になり得る=景品表示法第5条第3号(判別困難な表示)に該当するおそれ。回避の第一歩:依頼した投稿には「PR」「提供」等を明示し、依頼の記録を残す。
分かれ目は「AIで作ったか」ではなく、①対価②方針への関与③広告表示の有無。3つがそろうと事業者の表示として規制対象になり得る。

① これは何か(AI生成画像を使った投稿への措置命令)

消費者庁は2026年8月6日、「SNOW」と称するアプリケーションの利用サービスを提供する事業者2社に対し、景品表示法に基づく措置命令を行ったと公表しました。以下は、同庁の公表ページおよび措置命令書(公式PDF)の記載に基づく事実です。

  • 問題とされたのは、事業者が第三者に対し、対価の提供を条件に、「X」と称するSNSに、事業者が指示する方針に沿った投稿をすることを依頼し、その第三者が投稿していた、という点です。
  • 投稿は「AI生成画像をやってみた」といった内容で、2025年(令和7年)4月以降に行われたものとされています。投稿には、それが依頼された(=事業者の)表示であることが明らかにされていませんでした。
  • 消費者庁は、これを一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示(景品表示法第5条第3号/令和5年内閣府告示第19号。いわゆるステルスマーケティング告示)に該当するとし、同法第7条第1項に基づき、表示の取りやめ・一般消費者への周知徹底・再発防止策の周知徹底などを命じました。

ここで大事なのは、「AIで作ったからダメ」という話ではないということです。画像や文章をAIで作ったかどうかは、規制の判断とは直接関係しません。分かれ目は、上図の①対価・②投稿方針への関与・③広告だと分かる表示の有無です。AI活用が広がるほど、この形(対価付きの依頼投稿)を使う場面は水素業界でも増えるため、作る側として押さえておく論点です。

② 水素業界での使いどころ(依頼のしかたで論点が変わる)

水素関連の広報・販売でも、AIで作った画像やコピーを第三者(インフルエンサー・アフィリエイター・モニター・取引先など)に広めてもらう場面があります。依頼のしかたごとに「起こりうる論点」と「出す前に確認すること」を中立に整理します(いずれも効果効能の表現は入れないことが前提です)。

依頼のしかた起こりうる論点出す前に確認すること
対価を条件にSNS投稿を依頼する対価+方針への関与+広告非表示がそろうとステマ告示に該当し得る「PR」「提供」等を投稿に明示。依頼日・伝えた方針・対価の内容を記録に残す
モニター提供・商品プレゼントで感想投稿を募る無償提供でも「対価」に当たり得る/体験談風の誇張提供を受けた旨を明示してもらう。実体験でない体験談は依頼しない
AIで作った投稿文の『ひな型』を渡して投稿してもらう事業者が投稿内容の決定に関与=事業者の表示になり得る広告表示の明示をひな型に組み込む。効能・最上級表現が混入していないか点検
自社アカウントでAI生成画像を使って告知する画像・文章の権利/効能を暗示する演出権利と出典を確認(→水素と法律)。雑貨は効果効能を書けない

③ 第一歩(今日からの3ステップ)

  1. 対価を伴う投稿依頼を棚卸しする。金銭だけでなく、商品提供・割引・ギフト・モニター等も「対価」になり得ます。誰に・何を条件に・どんな投稿を頼んでいるかを一覧にします。
  2. 依頼する投稿には広告だと分かる表示をルール化する。「PR」「提供」等の明示を、AIで作った素材を配る場合も含めて統一ルールにし、依頼時に必ず伝えます。
  3. 依頼の記録を残す。依頼日・伝えた投稿方針・対価の内容・担当者を残しておくと、後から「事業者の表示」に当たるかを自社で確認・説明できます。

④ 絶対の注意点(★法令ガード)

AI活用のPRでは、ステマ規制(景品表示法第5条第3号・2023年10月〜)に加えて、水素業界特有の薬機法・景表法(優良誤認)を必ずセットで確認してください。AIは、頼んでいなくても効果効能や最上級表現を書いてしまうことがあります。

  • 対価付きの依頼投稿は広告と分かる表示を。金銭・商品提供・割引・ギフト等を条件に投稿を依頼し、事業者が投稿方針に関与しているのに広告表示がないと、ステマ告示に該当するおそれがあります(→水素と法律)。AIで作った素材かどうかは関係ありません。
  • 効能表現・最上級表現を自動で書かせない。水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)で、効果効能は標榜できません。AIが生成した「効く・改善・予防・No.1」等をそのまま第三者に投稿させるのは、薬機法・景表法上のリスクです。
  • 体験談風の投稿を依頼しない。実体験でないものを体験談として出させないでください。
  • 公開前・依頼前に人が確認する。誰が依頼し、どんな方針を伝えたかを記録し、広告表示と法令(特に効能表現の有無)を人が確認してから広めます。

よくある質問

AIで作った画像や文章を、水素商品のSNSで第三者に紹介してもらうのは問題ですか?
紹介してもらうこと自体が禁止されるわけではありません。問題になりやすいのは、対価(金銭・商品提供・割引・ギフト等)を条件に投稿を依頼し、事業者が投稿内容の方針に関与しているのに、それが広告だと分かる表示をしていない場合です。この形は「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示」(ステマ告示)に当たり得ます。依頼した投稿には「PR」「提供」等を明示してください(→水素と法律)。
『AIで作ったから』ステマ規制の対象外になりますか?
なりません。画像や文章をAIで作ったかどうかは関係ありません。判断されるのは、その投稿が「事業者の表示」と言えるか(対価と方針への関与)と、広告だと明瞭に分かるかです。AI活用の有無で規制の適用が変わるわけではありません。
この措置命令の内容について、結果や評価を知りたいのですが。
当サイトは個別事案の見通しや当否の評価は述べません。事業者にとって重要なのは、公表された事実(対価を条件に投稿を依頼し、広告と分かる表示がなかった点が問題とされた)から、自社のPR運用で同じ形になっていないかを確認しておくことです。
社内で先に決めておくべきことは何ですか?
①対価(金銭・提供・割引・ギフト等)を伴う投稿依頼の有無を棚卸しする②依頼する場合は「PR」等の明示をルール化する③誰が依頼し、どんな方針を伝えたかを記録に残す、の3点です。AIで作った素材を配る場合も同じです。
※本記事は中立の情報整理を目的とし、法律相談ではありません。個別事案の見通し・当否の評価は述べません。事実は消費者庁の公表ページおよび措置命令書の記載に基づき、最新・詳細は各出典および各社の顧問弁護士等にご確認ください。特定のAIサービス・アプリ・企業・水素製品の推奨や順位づけは行わず、効果効能を示すものでもありません。
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