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「満足度No.1」「○冠達成」を広告に書く前に ― 景表法の課徴金事例に学ぶ、順位表示の3つの確認

消費者庁・公正取引委員会北海道事務所が公表した景品表示法の運用状況(令和7年度)では、客観的でない調査を根拠に「満足度No.1」「○冠達成」と表示していた事業者に課徴金納付命令(1119万円)が出されました。この一次事例を起点に、水素関連の事業者が広告やAI生成コピーで順位・最上級表示を使う前に確認すべき点を中立・出典つきで整理します。効果効能は扱いません。

2026-08-23 | 大河内 洋(スマートマーケティング株式会社 代表取締役)× AI権利・法令
対象:広報・販売・経営の方はじめての方OK所要:約6分

「満足度No.1」「○冠達成」——広告でよく見る表現ですが、その裏付けとなる調査が客観的でなければ、景品表示法上のリスクになります。本記事は、消費者庁・公正取引委員会北海道事務所が公表した景品表示法の運用状況(令和7年度)と、実際に課徴金納付命令が出た一次事例を起点に、水素関連の事業者が順位・最上級表示を使う前に確認すべき点を中立に整理したものです。特に生成AIで広告コピーを作ると、こうした最上級表現が自動で入りがちな点にも触れます。当サイトは特定のAIツール・企業・水素製品を推奨も順位づけもしません。また、水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)であり、本記事は効果効能を扱いません。本記事は法律相談ではなく、個別の判断は各社の顧問弁護士等にご確認ください。数値は出典に基づく事実のみを示します。

順位・最上級表示は「調査対象」「比較の客観性」「引用の正確性」の3点を満たして初めて出せる「No.1」「満足度○冠」を広告に出す前の3つの確認1つでも欠けると、根拠のない順位表示(優良誤認・有利誤認)になりうる① 調査の対象は「実際の利用者」か実際に利用・見積りをした人への調査か。サイトの「印象」を問うだけの調査ではないか。② 比較対象は客観的に選ばれているか自社に有利になるよう、任意に少数の事業者だけを選んで対比していないか。③ 調査結果を正確・適正に引用しているか調査概要(時期・方法・提供元)を表示に添え、結果を誇張・改変せず引用しているか。3点を満たせないなら、その順位・最上級表示は使わない。AI生成コピーも同じ工程で点検する。
順位・最上級表示は「調査対象・比較の客観性・引用の正確性」の3点で確認する。出典:消費者庁・公正取引委員会北海道事務所「令和7年度における北海道地区の景品表示法の運用状況等」(令和8年6月26日公表)。

① これは何か(順位表示に課徴金納付命令が出た事例)

消費者庁と公正取引委員会事務総局北海道事務所は、「令和7年度における北海道地区の景品表示法の運用状況等」(令和8年6月26日公表)を発表しました。その中の主要な処理事件として、太陽光発電システム機器等の販売施工業者に対し、消費者庁が課徴金納付命令(1119万円)を行った事例が示されています(別紙・令和8年3月17日の報道発表資料に基づく)。

問題とされたのは、自社ウェブサイトのトップページに「北海道エリア太陽光発電業者 満足度3冠達成」「No.1 日本トレンドリサーチ(アフターサポート満足度/安心・信頼できる/見積価格満足度 等)」と表示し、あたかも同社の順位が第1位であるかのように示していた点です。公表資料によれば、その裏付けとされた調査は、実際に利用したことがある者かを確認することなく、同社と任意に選んだ特定9事業者のみを対比し、各サイトの「印象」を問うもので、客観的な調査に基づくものではなく、調査結果を正確かつ適正に引用しているものでもなかった、とされています(画像内の調査概要は「2022年2月 サイトのイメージ調査」と表示)。

ここで水素関連の事業者にとって重要なのは、業種を問わず「No.1」「満足度○冠」といった順位・最上級表示は、客観的な調査による裏付けと正確な引用がなければ景表法上のリスクになるという点です。特定の製品や企業の是非ではなく、表示のつくり方の話として読むのが中立的です。

② 水素業界での使いどころ(順位・最上級表示を点検する場面)

水素関連の広報・販売でも、LP・商品ページ・SNS・比較訴求など、順位や最上級表現が入りやすい場面があります。生成AIにコピーを書かせると、なおさら自動で入りがちです。場面ごとに「起こりうる景表法上の論点」と「公開前に確認すること」を中立に整理します(いずれも効果効能の表現は入れないことが前提です)。

場面起こりうる景表法上の論点公開前に確認すること
「満足度No.1」「○冠達成」をトップ/LPに掲載根拠調査が客観的でない/実際の利用者以外への調査調査対象が実利用者か、比較が客観的か、引用が正確かの3点を確認(→水素と法律
生成AIに広告コピー・商品説明を書かせる「No.1・業界初・最上級」表現が自動で混入出力に順位・最上級表現が入っていないか点検。裏付けのない表現は削除し、事実訴求に直す
他社と比較するランキング風の訴求自社有利に少数の比較先だけを任意選択比較先の選び方と基準を客観化。恣意的な対比になっていないか確認する
調査結果・アンケートを引用して訴求調査概要の不記載/結果の誇張・不正確な引用調査時期・方法・提供元を表示に添え、結果を改変せず正確に引用する

ポイントは、順位・最上級表示を「言えるかどうか」ではなく「客観的な調査で裏づけ、正確に引用できるか」で判断すること。AIが書いたかどうかに関わらず、確認は人の工程として固定します。

③ 第一歩(今日からの3ステップ)

  1. 自社サイト・広告の順位/最上級表示を棚卸しする。「No.1」「満足度○冠」「業界初」「日本一」等の表現がどこにあるかを洗い出し、一覧にします。
  2. 各表示の裏付けを3点で確認し、日付つきで記録する。①調査対象は実際の利用者か ②比較対象は客観的に選ばれているか ③調査概要(時期・方法・提供元)を添えて正確に引用しているか。満たせない表示は取り下げます。
  3. AI生成コピーの最終確認を1人の承認者で固定する。生成AIが入れた順位・最上級表現を公開前に人が点検し、確認者と日付を残す運用にします。

④ 絶対の注意点(★法令ガード)

水素業界では、景品表示法薬機法を必ずセットで確認してください。順位・最上級表示は、客観的な調査の裏付けと正確な引用がなければ、優良誤認(品質・内容)や有利誤認(価格・取引条件)に問われ、課徴金の対象になりえます。

  • 「No.1」「満足度○冠」を裏付けなしに書かない。実際の利用者以外への調査や、任意に選んだ少数との対比、印象を問うだけの調査を根拠にした順位表示はリスクです(→水素と法律)。
  • 効能表現・最上級表現を生成AIに自動で書かせない。水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)で、効果効能は標榜できません。AIが生成した「効く・改善・No.1」等をそのまま公開するのは薬機法・景表法上のリスクになります。
  • 調査を引用するなら調査概要と出典を添える。時期・方法・提供元を表示に添え、結果を誇張・改変しないでください。
  • 公開前に必ず人がチェックする。承認ステップをONにし、順位・最上級表現の有無とその裏付けを人が確認してから公開します。判断に迷う表示は各社の顧問弁護士等にご確認ください。

よくある質問

「満足度No.1」「○冠達成」と広告に書くのは、そもそも禁止ですか?
書くこと自体が一律に禁止されるわけではありません。問題になるのは、その表示の裏付けとなる調査が客観的でなかったり、調査結果を正確かつ適正に引用していなかったりする場合です。消費者庁が公表した課徴金事例では、実際に利用したことがある者かを確認せず、任意に選んだ事業者のサイトの印象を問う調査を根拠に「No.1」「満足度3冠達成」と表示していた点などが問題とされました(→水素と法律)。
AIに広告文を書かせると、なぜ景表法のリスクになりやすいのですか?
生成AIは、頼んでいなくても「No.1」「業界初」「満足度○冠」といった最上級・順位表現を自動で書き足すことがあるためです。根拠のない順位表示は優良誤認・有利誤認につながりえます。AIの出力をそのまま出さず、順位・最上級表現が入っていないかを公開前に人が点検してください。
水素製品は非医療機器(雑貨)ですが、それでも景表法は関係しますか?
はい。景品表示法は医療機器かどうかに関わらず、商品・役務の表示全般が対象です。加えて非医療機器(雑貨)は効果効能を標榜できないため、薬機法・景表法の両面で確認が必要です(→水素と法律)。
調査を根拠に順位表示を出すとき、最低限どこを確認すればよいですか?
①調査の対象が「実際にその商品・役務を利用(または見積り)した人」か、②比較対象の事業者が客観的に選ばれているか(任意に少数だけを選んで対比していないか)、③調査結果を正確かつ適正に引用しているか(調査概要・出典を表示に添えているか)の3点です。迷う表示は公開前に止め、必要に応じ顧問弁護士等に確認を。
※本記事は中立の情報整理を目的とし、法律相談ではありません。特定のAIツール・企業・水素製品の推奨や順位づけは行いません。事実・数値は消費者庁および公正取引委員会の公表資料の記載に基づき、最新・詳細は各出典および各社の顧問弁護士等にご確認ください。水素関連製品の多くは非医療機器(雑貨)であり、本記事は効果効能を示すものではありません。
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